チームはミニキャンプ終了後の6/15にOT Sam Bakerを解雇しました。
2013年に6年総額41.1Mの大型契約を結んでいましたが、度重なる怪我に悩まされた末の解雇となりました。
今回の解雇によって2015シーズンのキャップスペースに対して4.5Mの空きを作る一方で、デッドマネーは2015シーズンに2.8M、2016シーズンに6.4Mが分割されて計上されます。

元ドラフト1位指名のBakerでしたが、プロ入り後のキャリアでは怪我の影響もあり、期待通りの働きはできていませんでした。
Bakerは2008ドラフトの全体21位でQB Matt Ryanとともに、Mike Smith‐Thomas Dimitroff政権の初めてのドラフト1位指名選手となりました。
チームでは通算61試合で先発しましたが、2013シーズンは膝の怪我で4試合のみの出場にとどまり、復活を目指した2014シーズンではプレシーズンマッチで再び膝を怪我し全休しています。

近年のファルコンズのドラ1選手は怪我によって実力を発揮できずにいます。
2009年のDT Peria Jerryはルーキーイヤーに膝の怪我で途中離脱した後は、翌年にその年のルーキーだったDT Corey Peters先発の座を奪われ、2014シーズン開幕前に突然の引退を表明しました。
2010年はLB Sean Weatherspoonを指名しましたが、ディフェンスの中心選手となりつつあった2013シーズン中に怪我により10試合を欠場します。
2014シーズンも全休し、今オフにFAとなりましたがチームと再契約することなくARIへ移籍しました。
2011年指名のWR Julio Jonesは、4年間で2度もプロボウルに選出されていますが怪我による欠場が多く、2年分の1巡指名権を使ったことを考えるとやや物足りなさもあります。

大型契約を結びながら戦力として計算できないBakerについては、コーチ陣はその処遇を慎重に見極めていたようです。
9.2Mにもなるデッドマネーを分割したいのであれば、6/1を過ぎて早々に解雇を発表していたでしょう。
それでもミニキャンプ終了後にまで解雇を引き伸ばしたのは、他の選手を評価すると同時に怪我の回復を最後まで期待していたのだと想像します。

Bakerが抜けることになったOLですが、彼の離脱の影響は小さいと思います。
LTではJake Matthewsが復帰する見込みで、RTでは昨シーズン途中から先発に定着したRyan Schreaderが台頭しました。
今オフにはFAでベテランのTyler Polumbus獲得し、ドラフトではJake Rodgersを指名しています。
Baker本人は必要であればGでもプレーする意向を示していました。
しかし、Gでは新加入のMike PersonとChris ChesterがJustin Blalockの抜けたポジションを争っており、怪我で出遅れたBakerでは彼らを追い越すことはできませんでした。

過去の負の遺産と決別するのであれば、チームを刷新する今オフがベストでしょうし、実力を正当に評価するという意味でも、今回の解雇は間違っていないと思います。

その他のトランザクションなど


Bakerと同じく今オフに解雇されていたJustin Blalockは今シーズンはプレイせず、引退することを発表しました。
STLとTENが獲得に興味を示していたようですが、どちらのチームとも契約には至りませんでした。
ファルコンズの一員として引退することを選んだBlalockの今後の成功を祈ります。

チームはミニキャンプ終了後にUDFAで契約していたWR Shane Wynnを解雇しました。
Wynnはその後、CLEと契約しています。
空いたロースタースポットには、そのCLEに2010ドラフトの6巡で指名されたWR Carlton Mitchellを獲得しました。
Mitchellは南フロリダ大出身の大型(6'3 - 215lbs:191cm - 98kg)レシーバーでCLE、JAX、DAL、TBと渡り歩いた後、去年までの2年間はCFL(Canadian Football League)でプレーしていました。
NFLではCLE時代に3キャッチ31yd獲得の記録があります。