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ファルコンズは2016ドラフトの4巡81位でミネソタ大のLBデボンドレ・キャンベル、6巡115位でサンノゼ州立大のOGウェス・スワイツァー、7巡238位でカリフォルニア大LA校のWRデビン・フラーをそれぞれ指名しました。


LB De'Vondre Campbell


LB De'Vondre Campbell,Minnesota,RS Senior
6'4 - 232lbs.(193cm - 105kg)
2015シーズン、11試合先発を含む13試合に出場し92tckl、6.5TFL、4sack、3PD、1int、1FF。
コンバインでの成績:40yd dash-4.58sec.*/Vert. jump-34.0inch/Broad jump116.0inch(*=position top performer)
2巡のジョーンズに続いて、LB二人目を指名しました。
6'4のサイズながら、コンバインでは全LBの中でTop5に入ったスピードを持ち合わせるアスリート。
一方で、アカデミックAll-Big10にも選出されていて、文武両道の素晴らしいキャラクターです。
ヘイゲマンも同じくミネソタ大出身で、チームメイトとして過ごした時期もあります。

まずはNFLのプロフィールの評価から。
・長所
 NFLクラスの身体能力。素早い反応とボールへの加速力。RBへのクロージングスピード。長い腕を活かしたタックル。手の用意が良く、ボールを見ながらブロッカーに対して先手を打てる。インサイド、アウトサイドの両方でプレーできる。エッジでもプレーでき、ブリッツでは腕を有効に使える。スピードとサイズを活かしてカットバックレーンを潰せる。

・短所
LBとしての本能に欠ける。身体能力に頼りすぎてプレーの判断が遅く、プレーに絡めないことがある。コーチの指導によって技術を磨く必要がある。第2列でプレーを待ってしまうことがる。パスカバーではルートを消すよりもスペースを見過ぎてしまう。QBの目線を読んで、パスコースに飛び込む動きができていない。
やはり4巡指名だけあって、素材型の選手であることは間違いありません。
ゲームフィルムでもタックルを外されてしまうシーンや、判断の悪さでプレーについていけない様子が見られました。
しかし、それを補ってあまりあるのがサイズとスピードで、ボールキャリアーへの素早い寄せとスピードを活かした激しいタックルは魅力的です。

そして、ファルコンズファンとして見逃せないのが、ドラフト前に元ファルコンのチャック・スミスのプライベートレッスンを受けているということ。
そのスミス曰く「同じ間違いは2度としない」とのことで、技術面は今後の成長が大いに期待できます。
優れた身体能力と学習能力を持ち合わせているようなので、チームの指導力が試される選手かもしれません。
将来的にはMLBでの起用されるようで、ウィークサイドのジョーンズとのコンビがフィールドを支配する姿に夢が膨らみます。

OG Wes Schweitzer


OG Wes Schweitzer,San Jose St.,RS Senior
6'5 - 314lbs.(195cm - 142kg)
2015シーズン、13試合に先発出場。オールカンファレンスのアカデミックチームに4度選出。
コンバインでの成績:‐
HOUとのトレードで得た6巡はOLを指名し、オフェンスのニーズを埋めました。
サンノゼ州立大からは去年のCBアキーム・キングに続いての指名となり、昨シーズンからファルコンズのアシスタントOLコーチとなっているキース・カーターの指導を受けていました。

ハイスクールではレスリングのスター選手として名を馳せ、アリゾナ州のチャンピオンに輝いています。
TEとしてフットボールもプレイしていて、最終学年時には80ポンドの増量に成功しOLへ転向。
しかし、大学からのオファーの声はかからず、海兵隊を経た後にサンノゼ州立大からのオファーを受けました。
大学ではRTの後、LTでプレーしシニアシーズンの最終戦まで37試合連続先発する鉄人ぶりを発揮しました。

ドラフト前の注目度は低かったようで、コンバインに招待されていないどころか、NFL公式ページにもスカウティングレポートがありません。
ですが、個人的には今年の指名の中では、一番のスリーパーではないかと思っています。
パスプロテクションでは細かいステップを止めることがなく、安定した姿勢に加え、スクリーンパスなどでダウンフィールドに出る機動力も問題なし。
さらに、ブロッキングの受け渡しやシールの角度など、自分の役割を理解したプレーが多く、この辺りはオールアカデミック4度選出の知性が感じられます。

指名時のポジションはOGとのことで、大学時代のアウトサイドからインサイドへ転向することになります。
本人によれば、大学時代もファルコンズと似たゾーンブロッキングでプレーしていたとのことで、すぐにスキームにフィットできるでしょう。
プロレベルのパワーとスピードにどこまで対応できるかは未知数ですが、プロボウラーであるマックの指揮の下であれば、その高い理解力で安定したプレーが期待できます。
また、両Tに万が一の事態が起こってもバックアップとして穴を埋めることができるのも、大きなプラス。
もう二度とトイロロがOLに入るような悪夢は見たくないです。

WR Devin Fuller


WR Devin Fuller,UCLA,Senior
6'0 - 194lbs.(182cm - 88kg)
2015シーズン、7試合先発を含む11試合に出場し、24rec、269yd、3TD。
プロデイでの成績:40yd dash-4.39/Vert. jump-36.0inch/Broad jump124.0inch
今年のドラフト最後の指名は、スピードスターWR兼リターナーです。
今オフ、ロディをカットした穴はサヌーをFAで獲得して埋めましたが、No.4以下が不在になっていました。

それではNFLのプロフィールの評価から。
・長所
スロットレシーバーとしてはサイズがある。スクリメージからの出足が速い。細かいステップでプレスカバーを外すことができる。ゾーンカバーに対して、QBが投げやすいようにルートをアジャストすることができる。優秀なリターナー。

・短所
ミドルフィールドの密集に対して消極的。ボディキャッチャー。持ち味のスピードを常に発揮する必要がある。ブレイクが緩慢。1stダウン更新となるパスキャッチが45%以下。ランアフターキャッチのコース取りが悪い。
いわゆる「一芸入試」ですね。
リターナーといえばヘスターですが、昨シーズンは怪我で出遅れた影響なのか以前の爆発力は影を潜めました。
オフェンスでも出番は無く、シャナハンの頭の中では構想外になっている可能性は高いと思います。

翻ってフラーですが、スピードは素晴らしいものの、レシーバーとしての総合力はまだまだ荒削り。
同じドラフト時点では、去年のハーディの方が、完成されていた印象です。
ひとまずは、リターナーでの役割が中心となり、オフェンスではワンポイントの出場があるかどうかでしょう。
即戦力としては期待されていませんので、しっかりと時間をかけて技術を磨いて欲しいところです。