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Photo : Official site of the Atlanta Falcons

ホームのCAR戦は、昨シーズンのパンサーズに唯一黒星を付けた因縁のカード。
不振に陥りつつある相手に対してオフェンスが爆発し、48−33というスコア以上の完勝でした。
3連勝のチームはこれで通算が3勝1敗となり、地区内の首位として頭一つ抜け出しています。



試合開始直後に大きなプレーがありました。
ニュートンが自らのランで3rdダウンからフレッシュを獲得した場面で、トーンティングの反則。
ドライブ開始地点よりも下がった続きの攻撃を3回でパントに抑えると、返しのドライブを見事にTDつなげ、一気に流れを掴みました。
終わってみればそれ以降は一回もリードを渡さない、まさに完勝でした。

オフェンス

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Photo : Official site of the Atlanta Falcons

オフェンスは5TD、2FGで計41点を獲得。
エースレシーバー・フリオの活躍もあり、90yd以上のドライブを3回もTDに結びつけるハイパーオフェンスを展開しました。
ライアンとフリオは、パス獲得500yd以上、レシーブ獲得300yd以上を同一試合で達成した史上初のコンビになりました。


・QB
ライアンは、28/37(75.6%)-503yd-4TD-1INT-Rating:142.0で絶好調のパフォーマンス。
自身が持つ1試合のパス獲得ydのフランチャイズ記録を塗り替えました。

この試合はとにかく、冷静なプレーぶりが光りました。
3被サックやピック6にも気落ちせず、3rd&ロングや苦しいフィールドポジションからでも、自らのぱすで状況を打開できています。

唯一のインターセプトに関しては、結果的にPick6になってしまったのはアンラッキーと言えるレベルなので、責めません。
ただ、タイミングで決まっているパスだったとは思いますが、相手DLがあそこまで割って入ってきているのを見た時点で、投げるのを止めて欲しかったです。

この試合のような精神状態で常にプレーできるのであれば、超一流へ一皮むけたと言って良いでしょう。


・RB
フリーマンが13キャリー、コールマンが8キャリーで合計76yd走りました。
事前の予想通りランはかなり抑え込まれました。
しかし、中央のランでフリーマンの1TDもあり、悲観する内容ではないと思います。

コールマンはブリッツピックでミスが見られ、今後に向けて改善してほしいところです。

FBのディマルコが今シーズン初キャッチを記録しました。
ライアンの浮いたパスに対して、身体が伸び切った最高点でのナイスキャッチを披露しました。
今季はブロッカー役に徹し、まだスポットライトが当たっていないディマルコですが、3連勝に陰ながら大きく貢献しています。


・WR、TE
フリオが自身のフランチャイズ記録を更新する、300yd獲得の大爆発。
75ydの独走TDもあり、12キャッチで平均が25yd。
フリオをしっかりケアしなければならないことを印象づけたことで、今後の対戦相手に対しても攻撃の幅が広がることは間違いありません。

フリオ以外にも8人がキャッチを記録し、合計が203yd。
特にガブリエルが49yd、ロビンソンが初TDを含む48ydでしっかりとエースの脇を固めています。
ともに大きく注目されることなく今季からチームに加入した両名ですが、期待以上の働きで試合を重ねるごとに存在感が大きくなってきました。

ルーキーTEフーパーもキャリア初となる42ydTDがありました。
ここまでターゲットを散らされると、守備はお手上げでしょう。


・OL
ライアンが3サックを浴びましたが、試合を通じてはポケットが大きく潰れることはなく、パスプロが安定しています。

エッジをまくられることがあっても、インサイドに常にステップアップするスペースがあります。
ロールアウトと違って、前方向へラッシュを避けるステップアップは、ダウンフィールドを見てターゲットを探しつつ、投げるタイミングを取りやすいため、プレーが崩れにくくなります。
ライアンが慌ててポケットを飛びたす必要が無いことが、精神的な安定をもたらし、プレーの結果に表れているのではないかと思います。

やはり、プロボウラー・マックがOLの要に加えることができたのは、今オフのフロント陣の最高の仕事でした。

ディフェンス

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Photo : Official site of the Atlanta Falcons

ディフェンスは前半に1FG、後半に3TDで計33点を許しました。

オフェンスがリードを広げる一方で、3QまではFG1本に抑える完璧な内容でした。

4Qは3連続TDを許し、一時は8点差まで追い上げられましたが、最後は怪我で退いたニュートンに代わってプレーしたQBアンダーソンから2INTを奪って試合を決めました。


・DL
勝利に大きく貢献したのがラン守備。
ニュートンには5回のランで30ydを走られましたが、その他のRBをわずか19ydに抑え、まったく仕事をさせませんでした。
相手Tオアーの欠場にも助けられましたが、シルビー、ビーズリー、リードらDE陣が上手くコンテインしてロングゲインを防ぎました。

パスラッシュでも、フリーニーのサックあり、ジャレットのインサイドラッシュありでニュートンにプレシャーを与え続けました。

2試合連続となるフリーニーのサックは、芸術的とも言えるフェイクスピン。
なんとかビーズリーにも、そのテクニックを授けてほしいところです。


・LB
ここまでの守備改善に貢献してきたLB陣ですが、スプーンが負傷により途中退場。
ジョーンズもかかとを痛めました。

スプーンの怪我のシーンは、コンタクト無しで自ら倒れ込んでいて、嫌な予感のとおり、試合後の検査でアキレス腱断裂と判明し、シーズン中の復帰はほぼ絶望的となりました。

その後はイシュマールを実質LBとして使ったり、レイノルズが出場したシリーズもありました。
スプーンはIR入りし、チームは急遽元GB、CINのAJ・ホークを補強しました。
ウォリロウ、キャンベルも怪我でプレーできる状態ではなく、ここまで大きな怪我人を出さずに戦ってきたチームの中で、LBだけデプスがスカスカの状態になってしまいました。
失速の原因となりそうで、心配です。


・CB、S
DB陣は相手エースレシーバーのベンジャミンを3/7‐39ydに抑える、ナイスな働き。
TEオルセンの奥のルートに対しても、ニールがしっかりカバーしていて、相手にリズムを作らせませんでした。

ボールが飛んでこないトゥルファントの逆サイドで、アルフォードも2INT、3PDの大活躍。
2本目のインターセプトはおまけですが、試合を決定づけたPick6はお見事。

UDFAルーキーのプールは、試合ごとに成長し、この試合でも2PDを記録。
もはやニッケルバックとして、欠かせない存在となっています。

スペシャルチーム

ブライアントは28yd、53ydのFGを成功。安定。

ボッシャーは3回のパントで、最長59ydの平均が52.7yd。安定。

リターナーに入ったウィームズが、やや大きく弾んだボールを後ろに逸らすミス。
自らリカバーして、大事には至りませんでしたが、フィールドポジションをかなり苦しくしてしまいました。
その後、懲罰の意味もあったのかはわかりませんが、ハーディがキックオフリターンに入り、32ydのナイスリターンを見せました。
今後の起用に変化はあるでしょうか。

ファルコンズの話題ではありませんが、この試合、相手Pアンディ・リーがとにかく素晴らしかったです。
10yd以内のパントを連発し、かなり苦しい位置からのドライブを強いられました。
ガンナーとしてボールを何度も抑えた、元ファルコンズのCBマクレインもナイスプレーが光りました。

NextGame

次週はアウェイでSBチャンピオンのDEN戦です。

マニング引退後のQBは若手のシーミアンが先発していましたが、先週の試合中に負傷し、新人のリンチがリリーフしました。
次戦もリンチが先発することが予想されます。
ルーキーですが、プレーに落ち着きがあり、サンダース、トーマスといったターゲットも強力。
キャッチアップを強いる展開で、精神的なプレッシャーを与えたいところです。

ディフェンスは1試合あたりのトータル平均喪失ヤードがリーグ4位。
特に、エースCBタリブを筆頭にしたパス守備は、平均喪失169.5ydに抑えリーグ2位と強力です。
一方でラン守備はリーグ21位とやや見劣りします。
ゲームプランとしては、フリーマンを中心にオフェンスを組み立てていくことになりそうです。
コールマンが持病により、高地でプレーできない可能性があるとのことで、フリーマンの爆発に期待します。
空中戦ではフリオが厳しいマークにあうことが予想されますが、ライアンが落ち着いてサヌー、ロビンソン、ガブリエルといったレシーバー陣に投げ分けることができれば勝機は見えてきます。

3連勝の勢いそのままに、リーグ1位となった攻撃力で常に相手にキャッチアップを強いる展開が理想的。
相手の強力守備陣の前に苦戦するのは当たり前なので、多少のミスには動じず、我慢強くプレーしてほしいところです。