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Photo : Official site of the Atlanta Falcons

昨シーズンのSBチャンピオンのホームに乗り込んだDEN戦。
苦しい展開が予想されましたが、ゲームプランががっちりハマり、攻守ともに相手を圧倒する勝利でした。 
チームは4連勝となり、地区内の低迷する他チームを尻目に独走モードになってきました。



試合は、オープニングドライブでゴール前1ydからの4thダウンギャンブルを成功させTDを奪うと、返しの相手ドライブをパントに追い込み主導権を握りました。
2Qの2本目のドライブはFGに終わったものの、実に7分を費やして常にボールをコントロールし続けました。

中盤では、こちらのランに対応し始めた相手守備に苦しめられ、オフェンスが停滞する時間帯もありましたが、ディフェンスが踏ん張って相手に得点を与えませんでした。
その後、インターセプトで得たチャンスをしっかりとTDまで繋げてリズムを取り戻すと、まさにその直後のドライブの開始のプレーでビーズリーがサックを決めこともあり、パントに抑えて大勢を決しました。 

オフェンス

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Photo : Official site of the Atlanta Falcons

オフェンスは2TD、3FGで計23点を獲得。

この日はフリーマン、コールマン両RBへのパスが攻撃の中心となりました。
WRでフィールドをストレッチし、空いた中央のスペースにRBを走り込ませるデザインのプレーが効果的で、この試合に向けてのシャナハンOCのしっかりとした準備と、プレイコールが冴え渡りました。


・QB
ライアンは、15/28(53.5%)-267yd-1TD-Rating:98.4とまずまずの成績。
先週に引き続き、冷静なプレーぶりが光りました。

今週は派手さはありませんでしたが、シャナハンOCのゲームプランを忠実に実行しました。
今シーズンはシャナハン就任2年目となって、プレーに対する理解度が高まり、コールの意図までしっかり伝わっているように見えます。

攻撃の組み立ても、去年のフリオ一辺倒のオフェンスではなく、ラン、RBへのパス、3TE隊形、ノーハドルと多彩な攻め方がみられます。
いくつもの攻撃の軸が機能して、結果につながってる今季は大崩れしないように思います。


・RB
ランではフリーマンとコールマンの二人合計で119yd走りました。
試合序盤はインサイド、アウトサイドともによくランがでましたが、中盤になると相手のアジャストによってショートゲインに抑え込まれ、オフェンスが停滞する原因となりました。

しかし、この試合の中心となったのはRBへのパスでした。
持病が心配されたコールマンは、体調の影響を全く感じさせず、レシーブで132ydを獲得し1TD。
もともとキャッチングも上手い両RBをスロットレシーバーの位置にセットさせ、LBとのスピードのミスマッチを突きました。
レギュラーパーソネルでRBの位置から、レーシバーの位置へシフトさせる隊形によって、相手はLBを下げるわけにもいかず、優位なマッチアップを試合全体を通じて作り続けました。


・WR、TE
相手守備陣の最大の強みであるセカンダリーに対して、苦戦を強いられました。
フリオが2キャッチ29yd、サヌーが3キャッチ43ydと完封と言ってもいい数字。
しかし、この試合に関してはレシーバー陣が抑え込まれるのは、シャナハンOCにとっては想定内だったでしょう。
上述の通り、ワイドアウトは囮として使い、RBへパスを集めました。

選手個別で見ると、サヌーとライアンとの息が合ってきたように見えます。
後半には1stダウンを更新するナイスキャッチもありました。
ただし、同じドライブでファンブルロストもあり、差し引きはゼロといったところ。
確実に良いプレーが増えてきているので、シーズン後半にはサヌーにスポットライトが当たる試合があるかもしれません。

ルーキーTEフーパーはPAからワイドオープンになるパスキャッチが有りました。
ここまで、フィールドに3人目のTEとして出場することが多く、厳しいマークを受けずにワイドオープンになるシーンが目立ちます。
密集でのレシーブは今のところタミーに譲りますが、ルーキーにプレッシャーがかからない環境で経験を積んでいけば、将来長くに渡って活躍する主力TEとして成長してくれることでしょう。


・OL
4連勝の影の立役者となっているのがOL。
ミラーを筆頭に優秀なエッジラッシャーが揃うDLが相手でしたが、ライアンにクリーンなポケットを提供し続けました。

ミラーにスピードで捲くられるサックがあったものの、マシューズとシュレーダーの両Tが1:1で持ちこたえ、ライアンが冷静にターゲットを探す余裕がありました。

ディフェンス

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Photo : Official site of the Atlanta Falcons

ディフェンスは前半に1FG、後半に1TD、2FGで計16点を許しました。

相手に20yd以上のゲインを許したプレーはわずかに2つ。
TDは4Qに時間を使って取らせた1本のみでした。
2試合続けて完璧と言っていい内容で、試合を重ねるごとに調子が上がってきました。

この試合ではオフェンスが得点できずに終わってしまうドライブもありましたが、守備陣が踏ん張って相手に流れを渡さなかったことが、勝利大きく引き寄せました。


・DL
自身キャリアハイとなるビーズリーの3.5サック、フリーニーの3試合連続となるサックを含め、新人QBリンチに計6サックを浴びせました。
インターセプトとサックが続いた3Qには、リンチはパニックに陥っているようでした。

ラン守備では、プレイサイドのレーンをまず潰し、逆サイドのDEが後ろからタックルするシーンが多く、ユニット全体としてうまく機能しています。

ビーズリーは2年目にして、初めて手放しで喜べる試合内容。
相手が控えTというハンデはありましたが、それでもスピードで圧倒するサックはお見事でした。
ただ、2つのファンブルがどちらも相手にリカバーされてしまうところは、何となく「持ってない」感じがします。
この試合をきっかけに、一皮剥けて欲しいところです。

同じく2年目のジャレットは、インサイドラッシュでリンチにプレッシャーを掛け、浮いたボールがアレンのインターセプトにつながりました。

本来控えOLであるガーナードがDTとしてプレーしました。
わずか2プレーでしたが、どちらも相手OLを押し込みプレーを崩すことに成功しています。
CBグッドウィンに続くオフェンスからのコンバートで、ロースターにさらなる厚みをもたせることができるでしょうか。


・LB
この試合を迎えるにあたって、最大の懸案事項だったLB陣。
ロースター上位の4人が抜ける異常事態で、試合直前に元GB、CINのAJ・ホークと急遽契約しました。
実際の試合ではイシュマールがプレイコーラーとしてウィーラーとともにILBでプレーし、主力不在の影響は感じさせませんでした。
ニッケル隊形やニールのボックス内でのプレー、ビーズリーのドロップカバーの含めて、うまくフォローしていました。

上が抜けたことで出場機会が増えたレイノルズでしたが、スターターになるには、まだ実力不足。
パシュートのルート取りが悪いのか、正面からのタックルではなく、プレーに後ろから絡むことが多い印象です。

結局ホークはSTのみでの出場になりました。
次週はジョーンズとキャンベルのルーキーコンビが復帰する予定です。


・CB、S
DB陣は相手のWRサンダースとトーマスの両エースを良く抑えました。
前半は、リンチが緊張からかパスが上ずっていたこともありましたが、パス喪失をわずか45ydに抑え、試合の流れを作りました。

ニールはボックス内でセットしても、ミドル〜ディープまでしっかりカバーに下がれるところが素晴らしいです。
どちらかと言えば前方向へのプレーが得意なイシュマールと、今後もうまく併用してほしいところです。

勝利を大きく引き寄せたアレンのインターセプトは、ごっつあんボールでしたが、しっかり決めるのはナイスです。

スペシャルチーム

ブライアントは46yd、33yd、25ydのFGを成功。安定。

ボッシャーは3回のパントで、最長68ydの平均が56.0yd。安定。

リターナーはウィームズがキックオフとパントで1回ずつ。
やはり、先週のハーディのリターンは反省を促す意味があったのかもしれません。 

NextGame

次週は西海岸での連戦となる、アウェイSEA戦です。

オフェンスはスタッツ的にはリーグ中位のオフェンスながら、チーム成績は3−1。
得点が1試合平均で20点に届いておらず、ファルコンズ守備陣が連勝中の調子を維持すれば勝利は大きく近づきます。
ただし、QBウィルソン‐WRボールドウィンのホットラインには爆発力があり、リードオプションも機能して的が絞れなくなってくると、厳しい展開です。
ウィルソンは膝の怪我がありましたが、Bye明けということもあり、大きな影響はなさそうです。

一方のディフェンスは1試合あたりの平均失点でリーグ3位、トータル平均喪失ヤードがリーグ1位と鉄壁のディフェンス。
特に失点は1試合平均でわずか13.5失点。
守備が抑えて接戦をものにしていることが、データから読み取れます。
DQの古巣凱旋でもあり、自らが指揮を取っていたディフェンスシステムの弱点も良くわかっているはずなので、やはりシャナハンのゲームプラニングに期待します。
相手の得点力も考えると3TD以上が勝利への条件となりそうです。